小泉の雑記帳

2016年に思う

2016年も残すところあと数時間。例年通り今年も1年を振り返って懲りない反省を繰り返すことにしよう。

今年は何といっても事務所の引越と事務所業務内容の大幅見直し、初の手術入院、この3つにつきるだろうか。

まずは引越について。今の新しい事務所に越してくるまでいたマンションには、結局10年いたことになる。実はうちの事務所は今まで5年ごとに引越を繰り返し、少しずつではあるが拡大を続けてきた。この前までいたマンションを購入し、事務所を据えたときは正直「ここが自分のデザイン事務所としての完成形なのかな・・・・」という気がしていた。ところが2〜3年もすると人も増え、たちまち窮屈な状況になってしまったため、閉塞感を打破するためにも「引越」となったのだ。
幸い思ったよりも高く売却できたこともあり、新事務所への移転費用は殆んどローン残金との差益でまかなうことができた。
新事務所は今までよりも広く、玄関前に駐車スペースもあり、来ていただいたお客様の反応もすこぶる良い。

業務内容の大幅見直しについては、もう何年も前から考えていたことであり、特に目新しい感はないが、ついに今年その一歩を踏み出す決断をした。主に考えたことは『WEB案件に対する積極性』と『販売先の多様化』だ。その実現には大きなハードルがあるのも承知の上だ。事務所創業以来最大の見直しになることは確実で、そのためにスタッフの意識改革、スキルアップの実現が不可欠だ。今回思っていることが達成できたときにはKDFが今までよりさらに強い事務所になっていることは確実であり、今までになかったデザイン会社の形を作りさせるような気がしている。

最後に手術入院に関してだが、今回の入院では本当に色々な方にご心配をいただき、あらためてこの場で御礼申し上げたい。入院というもの自体がほぼ初めてで、もちろん手術というものも初めて。手術自体に不安は全くと言っていいほどなかったが、思った以上に術後の回復に時間がかかってしまい、復帰後の業務にも多少支障があった。現在は殆んど術前に戻っているが、ゴルフは年明けまでお預けを食っている。
ただ、思わぬ副産物として大幅な体重減という嬉しいことがあった。入院前と比べなんと8kgもダイエットできたのだ。これはもう私本来の姿に戻ったと豪語できるほどスマートになったので、毎朝鏡を見るのが楽しい。

それにしてもなかなかきつい1年であった。
私も53になったので、このハードさは正直きつい。
ただ、来年は今年以上にハードな目標を掲げているのでこんな程度でへこたれてはいられない。
90歳の現役デザイナーという夢の実現に向けて、まだまだ道のりは険しいのである。

最後に、今年1年お世話になった方々に心より御礼を申し上げたい。私個人だけでなく、コイズミデザインファクトリーを支えていただいた大勢の方々に「ありがとうございました」と大声で叫びたい。

今年も後数時間。
みなさま良いお年をお迎えください。

2016/12/31

ネタ帳を持とう

ネタ帳を持っていますか?
ネタ帳といってもギャグや小話をストックするわけではありません。
自分の思ったことや、見つけたもの、デザインのアイデアスケッチや暇つぶしのクロッキーなどを書きとめる帳面のことです。

私の持論。スケジュールや打ち合わせの内容をメモするノートと、前記のネタ帳は別の帳面にするべきです。
スケジュールや打ち合わせの時に書いたことは、たいていその事柄がすんでしまえば残しておく必要はほとんどありませんし、残しておく場合は別にファイリングするなどした方が都合がよいので、いわゆるシステムノートが最適です。
しかし、このネタ帳というものは、自分のアイデアがいっぱい詰めこんだ帳面ですから、そう易々と捨てたりするものではいけません。

そしてさらに、大切な自分のアイデアがいっぱい詰まっている訳ですから、そんなにちんけなものでもいけません。だいいち、せっかくの自分のアイデアに対して失礼です。

ですから、ネタ帳にする帳面は慎重に選びましょう。
絶対に安物はいけません。
といっても、たかがメモ帳ですから、どんなに高くても3,000円も出せばあるはずです。

私が愛用しているのは、最近の小ましな雑貨やさんにはたいてい置いているモレスキンです。
それに別注で作ってもらったHERZの本革カバーをつけています。
このくらいの帳面をネタ帳に使うことの快感は、なかなかのものです。

ひとつ余計なアドバイス。
ネタ帳というのは、何か思いついたときに書くのはもちろんですが、そのネタ帳を開くことで自分の頭の中にあるスイッチがONになるようなものを選ばなければなりません。
今ひとつわかりにくい表現ですが、いい帳面をネタ帳に使っているとだんだんわかってくるはずです。
そういう手帳に巡り会えた人は、きっと日々の生活サイクルが素敵でブライトなものになっていくに違いありません。
 ネタ帳を持つ、とくにデザイナーにはお奨めです。

2016/12/20

デザイナーになるためのMAC

写真のコンピューターは、私が1989年にうちの事務所として初めて購入したコンピューターであるアップルコンピュータMacintoshIIです。(写真:wikipedia)
当時とは比べものにならないくらい性能は飛躍的に伸びているMACですが、このコンピューターがデザイナーという職業の性質を大きく変えたことはご承知の通りです。

最近はMACを使えないとデザイナーにはなれません。
これは間違いなくなれません。美大やデザイン系の専門学校を出たとか出てないとか以前に、MACを使えないとデザイナーという職業には就けません。

私はよく、最近の学生と話す機会があるたびに「今の方が昔に比べて、デザイナーになるために勉強しないといけないことが多いから大変だね。」といっています。別に学生に説教じみたことをいいたいわけではありませんが、これはこの仕事を30年以上もやってきた私が感じる紛れもない事実です。
私がデザイナーという職に就いた頃は、すべての作業がアナログでしたから、覚える必要があるテクニックといえば、ロットリングや烏口できれいな線を引き、絵の具できれいにべた塗りをすることくらいのものでした。
ですから、それ以外の時間は「デザイン」というものの基本や応用を勉強することができました。
ところが現在は、デザインの応用どころかまず最初に必要な基礎の部分も勉強する時間が足りないほどMACの操作やアプリケーションの使い方を覚えなければなりません。
実際、学校を卒業したての学生は、いくら学校でMACを使っていたといってもまだまだ使いこなせるという域にはほど遠く、入社当初はまず、一人前にMACの操作ができるようになることから始めなくてはなりません。
そして、ようやくMACが使えるようになってから「デザイン」というものを学びだし、それを覚え立てのぎこちないマウスで具現化していくわけですから、世間や上司に納得のいくデザインとして認められるまでには相当の期間が必要になります。
若手のデザイナーでMacの表現力だけに頼った作品をよく見かけますが、それはある意味仕方のないことなのかもしれません。

私たち50代は、ゆっくりとMACが世間に浸透しましたし、MAC自体のパフォーマンスも徐々に上がってきましたので、それに進化に併せてゆっくりと勉強できました。そういう意味では大変恵まれていた世代かもしれません。

それに対し、最近ではデザインの勉強をはじめるのと同時に、驚くほど進化したMACの操作方法を覚えないといけないのです。

ですから、昔なら3年程度で粗方のことはできるようになっていましたが、今では5年でもなかなか難しい時代になっています。一人前のデザイナーになるための期間が昔よりもえらく延びているように思うのは、このことが大きく影響しているように思います。きっと離職率が昔よりも上がっているのにも少なからずこのことが影響しているのではないでしょうか。

2016/12/12

30年目に突入しました

29年前の11月30日、私はそれまで3年半勤めた会社を辞めました。若気の至りとでもいいましょうか、会社への不満をぶちまけ、半ばけんか腰で辞めてしまいました。決して円満退社などとは言えないものでした。

そして明くる日の12月1日、当時24才だった私はたった一人で事務所を立ち上げ、将来の展望など全くない状態で仕事をスタートしました。

幸いにも、周りの人たちにも助けられ、仕事は順調に入ってきましたが、何せ何でも一人でやらなければならなかったため、その当時の忙しさは今の比ではありませんでした。携帯電話もない時代でしたから連絡を取ることさえもままならず、パソコンで仕事をする時代でもなかったので、日々時間との戦いでした。

世の中は、バブルに一直線という感じでしたので、12月ともなると街中ではそこら中でパーティーを楽しむ人々があふれかえっていましたし、今と違い、女性は皆ワンレン、ボディコン、男性は肩パッドの入ったダブルのスーツにレイバンの黒いサングラスというスタイルでした。

大阪の梅田あたりで、まだ京都へ帰ってから山のように仕事をこなさなければいけないときに、そういうスタイルのグループが楽しそうにしている横をすり抜け、阪急電車が来るのをホームで待っていたときのあの何とも言えない疎外感は一生忘れることはないでしょう。

日付は12月1日になっていますので、今日から私の事務所は30年目に突入します。

ある記事では、日本の法人の96%は10年以内に消滅するそうですから、30年も長々と商売を続けている会社はたったの2~3%にすぎないのです。そう思えば自分なりに良くやっているなと思う反面、今年この節目にまだまだ飛躍しないといけないなと、気持ちを新たにしているところです。

30年目のコイズミデザインファクトリーは相当アクティブです。切り捨てるものと新たに種をまき、育てるものをバランス良くまとめられればよいのですが、なかなか前途は多難です。しかし、思い切ってこういう感覚をスタッフ1人1人が持とうとすれば、きっと何年か後に大きな花となって実を結び、あのとき思い切ってやっておいて良かったなあ・・・。っと、想う日が来ると信じています。

2016/12/01